境内案内

白毫寺によせて  (エッセイスト・円立院 学)

重厚な歴史に彩られたイメージとはまるで異なった門前の風景だ。 それは、おしゃれな庭園と言った方がよい。 季節の移ろいを詩うであろう木々や草花が、おだやかな表情で訪れる人を迎え入れる。 天台寺院のたいていは、いかめしくも荘厳な構えなのだが、 この柔和なたたずまいはいったい何なんだろう。
庭を抜けると右手前に千古の樹林、古木越しに総本堂の薬師堂が迫って見える。 タイムトンネルをくぐって、いきなり平安のいにしえに引き込まれた思いがする。 この奇妙なバランス。 これが「気軽に親しみを持って参拝できる雰囲気に」と、先代住職が造り替えたのだとすれば、 心憎いばかりの気配りである。 庭いっぱいに「心」の字を型どった「心字池」。 そこに奇なる「太鼓橋」が架かる。 この世とあの世をつなぐ橋だと聞いた。 あたりに石仏が群れる。 打って変わった古刹の風情、白毫寺の素顔だ。 薬師堂を経て左手に山門があった。 奥まるにつれ、密教寺院の森厳さに触れる。 山内に前庭、本堂、石庭が展開され、そこここに仏がおわす。
山門脇に大人の背丈の倍ほどの石碑があった。 「一隅を照らす」は伝教大師・最澄の文言であり、天台宗・山田惠諦253世座主の直筆である。 白毫寺中興の祖である平安の名僧、円仁。 そして昭和の名僧、惠諦師ゆかりと知れば、天台門流ならずとも、 だだひれ伏すなかった思いで山門をくぐるしかなかった。

[白毫寺パンフレットより]

石  門

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白毫寺の境内散策は、この石門からスタートです。

太 鼓 橋

taikobashi

石門を過ぎると、右手に太鼓橋があります。 この橋の手前が私たちの俗世界。反対側は仏たちの覚りの世界を表し、急勾配は、悟りへの道のりの厳しさを表現しているそうです。 また、心の字を型どる下の「一心池」には鯉が群れています。

薬 師 堂

yakushidou

太鼓橋を渡ると石段があり、その上には総本堂の「薬師堂」があります。本尊は、薬師瑠璃光如来(秘仏)で、人々の様々な悩みや苦しみを救って下さいます。

石  仏

sekibutsu

薬師堂への石段の途中にはお地蔵様たちが参拝者を優しい眼差しで迎えてくれます。

熊野権現社

kumano

薬師堂の裏手には、熊野権現社があり、白毫寺の守護神として祀られています。

寶篋印塔

houkyouintou

薬師堂への石段を途中で右に曲がると、地元領主の赤松貞範の供養塔があります。これは、県の文化財指定を受けています。

一 隅 碑

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第253世天台座主・山田恵諦猊下の揮毫による「一隅を照らす」の石碑です。自分の置かれた場所や立場で精一杯努力する一隅を照らす人こそ、国の宝だと伝教大師・最澄様は言われています。

山  門

sanmon

回向本堂の山門です。白毫寺は、本来93カ寺あった寺の総称で、山門内は、本坊の圓照院というお寺でした。

本  堂

hondou

白毫寺の回向本堂。山門内の石庭には、セッコクやツツジ、百日紅、スイレン、ハスなど四季の花々が次々と咲き誇ります。

陰陽の庭

inyounoniwa

回向本堂の右手には、兵庫県の名庭100選にも選ばれている安土桃山時代の作とされる「陰陽の庭」があり、ここのセッコクは一見の価値があります。

孔 雀

kujaku

毒蛇をも食べることから仏教の守護神とされる孔雀が山門脇で参拝者を出迎え、時折、見事な羽根を広げています。